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カッツェにしてもいいですか

お酒を飲んでサブカルチャーに触れたり北方謙三に抱かれたりするブログです。

本当は朱貴の店に寄りたい

いつもの通り夜勤明けに松屋へ向かい、いつもの通り口の周りを脂でテラテラと光らせながら肉を頬張っていると、奥から「カッカッカッカッ」とリズミカルな金属音が、むしろリズミカル過ぎて軽くイラッとくる音が。あまりに大きく硬い音だったため金属音かと思ったが、箸で食器が叩かれている音で、ものすごい勢いで納豆かきまぜている音だった。
店内は静まっている。鳴るのは聴いたことのないJ-POPと納豆音。
豪快だなあなどと思っていたものの、終わりゃしない。軽いいらつきが重いふらつきに。
心の中でDie Krupps『Wahre Arbeit-Wahrer Lohn』を口ずさみ脳内シンクビートを試み和もうと思ったがどうあがいてもノイズとしか思われない。且つ終わりを告げる気配すら見せない。街の食器パーカッショニストとしての活動に散開や凍結のきざしは見られないのか!?
ま、まさか…ヤツは、松屋なぞで魯山人納豆を試みているというのかっ!?いや、松屋だからこそ、最高とはけしていえない目の前に整えられたこの環境下において最上のものを至高するという生き様だというのか!?
だがすでに424回なぞとうに上回っている。BPMも180、いやそれ以上。
これは、もう納豆を一万回混ぜようと試みているとしか思えない。それ以外にない。
その孤高の行いに、うるさいとしか感じなかったおのれというものがひどく小さなものに思えてくる。
「志、か。分かるような気もする」
心でつぶやいてみる。外を見る。風は、まだやみそうにない。
(第∞巻 蜃気楼(ミラージュ)の章 了)(ともかくうるさいので、混ぜるのはかまわんが静かにやってくれ。それが出来ないならせめてスローなブギにしてくれ)