カッツェにしてもいいですか

お酒を飲んでサブカルチャーに触れたり北方謙三に抱かれたりするブログです。

空手VSミャンマーラウェイ

行ってきました。どんな趣旨の大会かは、この記事でも読んでください。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/etc/20060916-00000027-spnavi-spo.html

まあ、空手バカ一代で生まれ空手バカ一代を産湯代わりにしHIPHOPで育った世代にとってはたまらない内容と云えましょう。最後のはなんか違うな。だって人生全部が言ったら“THE SHOW”になりかねない。
 

結果:
会場に着くと、なにやら「…欠場と…なっていることをご了承ください…」とかなんやらアナウンスしていたのだけど、この秋最高のモテアイテムipod(イマドキ第四世代)を装着していたのでところどころしか聞いておらず、あぁ誰か欠場なんだなあ、まあ選手がどんな人なのかもともと知らんからええわという感じで入場。
パンフレットをもらうと、えーと、あまりに壮絶なので引用しますね。

ミャンマー選手団は、11月1日、成田空港に到着しましたが、ミャンマーの国家情勢が変化したことにより、日本政府の政治的判断に基づき、入国管理局が帰国命令を発しました。日本から送還されたため、本大会の欠場を余儀なくされました。
ファンの皆様、関係各位の皆様には、深くお詫び申し上げます。

はい、そうですね。ミャンマーラウェイを打倒するために5対5マッチを中心に据えたイベントで、ミャンマー側の選手が全員欠場なんですね。冷戦か!(タカアンドトシの「欧米か」的に)どこのモスクワオリンピックですか。う、うおーい!聞いてないよ!っていうか正確には入場前にちゃんとアナウンスしてたけどこの秋最高のモテアイテムipod(イマドキ第四世代)を装着していたので聞いてなかったよ!なにこのうすた京介感すら漂う出オチ!いや出てないから出ずオチ?わー!シンジくん?ネンジクン?キケロ星人?もうなにがなにやらわからないよ!

やむをえない事情とはいえ、1日にはその事実は分かっているのだから、せめて公式HP上で発表していただきたいものです。
http://www.karate.gr.jp/news/060616chaos.html

で、そんな状況だからつまらなかったのかといえば、結果的に面白かったですな。まあオレらみんな空手好きだからな、それって言えてる世代なわけで、もし地球が100人の村だったら100人中60億人がカラテカという我ら宇宙船地球号の乗組員兼指導員としてはそんな空手家のみなさんがバンテージで顔面有りという過酷なルールで闘うことに否というはずがない。むしろ一日や二日前のオファー受けて急遽組まされた相手の選手は大変だなあと思いました。でもいい試合でした。なにしろ第一試合では急なオファー受けた側の植山選手がKO勝ちしてました。
 

素人目からのグローブと素手(バンテージ)の試合の違い
・腕を顔面両脇に据えるガードというのは面の広いグローブありきのもので、素手ではほぼ意味がない(ようにみえた)
・結局、当てさせたら即危機。大きくスウェイバックするか、先に攻撃を畳み込むしかない
・ジャブのような牽制を当てる暇もないのでフック気味の連打をお互いたたみこむ感じ
・基本的には逆転劇は生まれにくく、一発先にもらった方が負け

って感じでした。ボクは喧嘩は人生で数度しかしたことないのだけど、よく喧嘩について言われているような、先手必勝の現実がそこにありました。
そう考えるとマンガ『ホーリーランド』って相当リアルな内容なんだろうなあと感嘆しました。
 

ただ、未見のミャンマーラウェイが培った、このルール下での技術というのがあるのだろうか、という思いというか期待というか、そういうものはありますな。なにせ今日の試合では基本的に殴る蹴るという流れだったのだが、そもそも頭突きがありなんだし、投げも立ち関節もありなわけだし、やはりラウェイと日本の空手がどう戦うかは観てみたい。あ、佐藤直之さんはクリンチ状態になった時に小頭突きをしていました。こういう技術が、日本人同士がこのルール下で闘っても、想像出来る範囲は限られており、可能性というのは広がらないと思うわけで、想像もつかない状況に接して初めて技術は向上するのだろうし。次回開催されるのならば、観たいなあとは思わせるものがありました。
 

それから、アブソリュートマッチというのが行われまして。
ルールは目突き、金的蹴り、素手の顔面パンチ、肘、頭突き、投げ、関節技ありです。えー、マジっすか?
どうなるのかと思ったのだけど、「目突きは認められてはいるが極めて危険なので、ゴーグルを装着します」と。え…えぇ?
えーと、ゴーグルを装着した目に、目突きをしたとしますね?すると、ゴーグルに己が二本指が激突しますわなあ。鍛えた人間の指がどんなものかはボクには想像がつかないのですが、基本的には突き指しませんか?という。もしくは大山総裁がよく言う、中指を下から鼻にすべらせれば簡単に目へ人差し指と薬指が入るんたようキミィ、という技すらゴーグルされてては意味ないんじゃ…
という丘格闘人間の自分の想像はともかく、実際の試合でも弊害だらけ。なにせ、顔面への打撃がかするなりしただけでゴーグルがずれる。で、それを直そうとする間相手も一瞬待つと。いや、大概は試合が止められてゴーグルを直すと。もう頻繁に。これは、興行における試合としていかがなものかと。
且つ、攻撃が畳み掛けられる中、もちろんゴーグルがずれて視界が阻害されるわけですが、流れの中そのまま直す間もなく続行してしまうわけで、それで攻撃をくらってしまっていたわけで。
これは、相当成り立ってないです。最初から目突きは認めない方がいいです。そもそも危険と判断しているわけですから。
それから、ファールカップはもちろんしているんでしょうけど、それでも金的攻撃は効くことは男性諸氏ならいやというほど知っていると思うのですが、二人とも一切金的攻撃をなさりませんでした。これまた素人考えですが、重心を後ろに置きながらも金的は蹴れるわけで、これを使わない手はないと思うのですけど、使わないというのは
・普段使わないから
・卑怯だから
ってことで、多分後者の意識が強いのだと思うのですけど、結局試合をするものにそういう精神的足枷が発生するのならはなから禁止した方がいいと思います。金的を攻撃しないことを否定しているわけではなく、有効であるのに使用する意思が生まれにくいなら必要ないだろうと。

って苦言ばかり呈しているのも次回を期待しているからなので、今度はきちんとミャンマー勢を揃えて(というかそもそも絶対条件)いただきたいものです。つってもお国柄上大変なのでしょうが…

近いニュースだとこれなどが関わっているのだろうか…
ミャンマー>スーチーさんら政治犯の釈放求める集会始まる
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20061029-00000029-mai-int