一人バクチク現象

使っているステレオイヤフォンの特性上、イマイチ重低音がバクチクしない毎日なんですけど、まあ具体的にはMDR-EX90SLなんですけど、これ、先っちょが割れていやよく取れるのよね。今までで４回、片方だけ取れてどこかに行ってしまって購入し直している。
ここで問題なのは、別に取れやすい構造に対してでなく、ソニーの備品の売り方ですよ売り方。ウ・リ・カ・タ！
サイズS・M・Lのセットでしか売ってないんだけど、ちょっとまってくれよ、こんな備品を買う事態になってるってことは元々ついていたものを紛失した時くらいしか想像がつかないんだが、そうすると、自分の使っているサイズしか必要ないよね。誰もがサザエとカツオとワカメで姉弟構成されていれば問題ないのかもしれんが、世の中そんなに都合よくない。
そもそもねえ、高校時代からソニー製品買ってはすぐ壊れる神話を紡いできてんだよもう。コンポから始まり、ウォークマン、テレビ、CDウォークマン、シャープをずっと信頼してたけどつい手を出したMDウォークマン、VHS+Hi8ダブルデッキ、全部壊れたわい。特にHi8よう、人に借りた大事なアニメのテープ巻き込んだ末自沈すんじゃねえよ！バカ！
なら買うなって話なので、もう買わないしコミック雑誌なんていらない。とかいいつつステレオイヤフォンは買ってもうたんだけど、その先っちょが割れて取れやすい事以外は音も良いしオレのソニー体験の中最長寿命を記録しておるし、よろし。え、ニナモも先割れ？

これだけ費やして書かれてきた中ピクリともバクチクが現象を起こしていなかったのでオレすらビックリ。まああれですわ。新譜が良いですよという。

memento mori(初回生産限定盤)(DVD付)

20代のオレが想像する30代のオレ像は、20代で過ごしているままに、ずうっと増幅剤としての酒を呑みマンガやアニメやゲームや音楽や格闘技観戦や歴史に漬るのに忙しい日々を過ごしていると思っていたのだけど、忙しさに屈する前に、自分の好奇心自体が失われ衰退の加速を止められない現実なのであった。

もはやオタクではない！（or戦後ではない）

その中でもアニメ視聴欲が最も衰え、今は一本も観ていない。音楽も、延々とブライアン・イーノのアンビエントを流すだけの毎日に、劇薬的に坂本真綾さんと新居昭乃さんが投与されたが、それとて以前から聴いてはいるもの。
牧畜さんとてその一連の流れ、錆び付いた耳でも聴き慣れたものなら受付ますわの流れとはいえ、まずここ一二年ロケンローを聴く元気すらなかったので、相当持ち上がる。
音的には今井氏のやっているLucyからのフィードバックが大きいのかなと思えるまさにロケンロー（今井発音）で、うむ、たまらんね。

上記にて、自分がいかに若かりし頃想像した己とは違う衰えた姿を現在さらしているかという事を記したが、80年代バクチク現象と言われ騒がれた牧畜さん達が、あんなに髪トンガらせて音もあえてお粗末と言わせてもらうけど、そんな牧畜さん達がまさかこのゼロ年代に、明らかに間違ったてこ入れを強要される事もなく良質の曲を提供し続け、牧畜フェスなんて飛び道具というかその発想自体吹いてしまうものを本当に現実化してしまったり、何よりも音として淡々と、新しい、事はしてるけど変わってはいない、けどそれは心地よいものという、なんとも形容し難い状態のままここまで呼吸をしているということに感動を通りこして背筋に緊張が走る。だってあの人ら、40過ぎてんのよ？

小雨降る通勤帰り、『セレナーデ -愛しのアンブレラ -Sweety-』を聴いている最中不意に泣きたくなってもうて、自分に狼狽。
こんなバンドが、こんな曲を恥ずかしげもなくアルバムに混入してきて、それを買わされるこんなオーバーサーティが現実との狭間に酔い。
泣いたりしないで。きれいな雨だね。あなたは私の太陽。だから、ねえ。泣いたりしちゃだめさ（ボロボロ泣きながら）

夢の島には夢がない。なんて言われがちだけど、夢の島には夢しかないから悲しくなるんじゃないかしら。
このくぐもった空の先に、ハチクロにも描かれる巨大観覧車があるのに、かろうじて霞んで見えるちぎれかけたメビウスリング解き放とう。その灰色、きれいな雨だね。